前回のもよう「奄美チャリ釣りキャン旅②」はこちら↓↓↓↓↓
僕のようなおっさんの一人旅はいいものだけど、常に一つ足りないものがあります。
それは、、、
ロマンスです。
わかりにくいですか?率直に言いましょう。女の子です。
一人旅が好きなのは間違いないですが、べつに人が嫌いなわけじゃありません。むしろ、人の温度を感じるために、いそいそと一人で出かけて、人恋しさを自ら濃くしているのかもしれない。
一人でいると気楽に感じる反面、むしろ一人ではやっぱり生きていけないんだな、という確認をしに行っているような。
人間、一人になりたい時があります。特に毎朝くっさい満員電車に揺られ、愚痴や陰口の耐えない職場で息を詰まらせ、横柄な取引先や上司に媚び売ってへこへこさせられている、僕ら世代のサラリーマンたちのような人種は特にそうではないでしょうか?
一人になりたくて、旅に出る。でもやっぱり、一人が寂しく感じてしまうのです。
ただ、寂しいと旅がつまらないか?と問われるとそうではないです。むしろ、寂しさも含めてそういう自分の感情と向き合うことが、一人旅の醍醐味なのではないでしょうか。
孤独になってみないと、人の温かさがわからないものです。
などとどうでもいいことは今考えましたが、とにかく旅には”色”がほしい。非常にほしい。渇望しているッ!(ムラムラしてるんですか?)ぶっちゃけ2日も一人でキャンプするとムラムラもしますわ。しかし、今までで旅に”色”があった試しは1度もない。例外なく今回もそんなロマンスなんて訪れないのだろう。
足りない何か(女性)を求めて今日も走ります。一体わたしは何しに来たんでしょうか。
天然記念物、ルリカケスと出会う
昨日も釣れなかったし、自転車でヒーヒー言ってるだけだし、人は誰もいないし。
何だかなーと、少し寂しい気持ちの朝です。風は相変わらず強めで、雲がスライドショーのように流れていきます。
一人っきりの時間に満足はしているけれど、それだけでは物足りなさも感じてしまう。そんな感覚になってしまう僕は、たぶん旅や冒険といったものに対してピュアじゃないんだろう。
明け方、ギャーギャーとけたたましい鳥の鳴き声で起こされました。綺麗な声ではないけど、関東では聞かない音なので、ひときわ目立ちます。タダモノじゃない感がすごい。
どんな奴がこんなけたたましく鳴いてんだろ?と好奇心が動き、観察してみます。
テントサイトの脇にある森の方から聞こえます。
‼︎っと、目の前をバサバサと横切る、青く美しい羽。青というより、少し紫がかったネイビーといった感じの、深い色。上質な着物に使われる深い藍色のようなボディ。何と美しい・・・
近くを飛んでた一羽は、何度もその姿を見せてくれましたが、そばの森の木に巣があるのか、複数の声がしました。
なんか綺麗な鳥がいるなー。ま、普通に現れるくらいだから、奄美ではカジュアルな鳥なんだろう。くらいに思って、写真も撮らずスルー。
さっさとテントの撤去作業にかかりました。
あとで調べたら、それが「ルリカケス」という天然記念物の鳥だったようで。世界中で奄美大島と加計呂麻島、請島にしか生息しない固有種だそうで、たいへん貴重な鳥です。
朝からいいものが観れました。写真とっとけばよかった。
と言うことで、キャンプkoyaさん、2日間あざしたー。
ルリカケスに会えるキャンプ場、camp&music KOYA おすすめなので是非チェックしろください。
奄美の漁港はふれあい水族館なのか?
3日目の積載はこうなった。
ダサい。あまりにもダサい。しかし左右の重量バランスも良く、今までで最も安定しています。だんだん自転車への積載も上手くなってきました。
さて、今日はキャンプ地を離れ、北部エリアを自転車ツーリング、チャンスがあれば釣りしつつ、コテージに止まるというプランです。
台風の影響で風が強いですが、積載がうまくいったせいか非常に楽に進みます。こんなに近かったっけ?てな感じであっさり空港を通過し、そこから北部方面にある今日の宿泊地 レスト&ロッジ翔 を目指します。
途中、釣り情報サイトで紹介されてたポイント、宇宿漁港に寄ってみることに。風が強いので厳しそうですが、竿出せるポイントがあるか下見です。
長大な防波堤で囲われている港で、波は全くありません。しかし海がかなりシケているせいか、海水は濁りがあります。
宇宿港はアオリイカが狙えると言うことで、やるならエギングですが、この風だとまともにキャスティングできなそう・・・
などと考えながらぼーっと海面を眺めてると、、、ごく浅い海面下に黒っぽい影が見える。ゆらゆら動いているように見えるが、うねりでそう見えているだけかもしれない。。。
が、
ヒョコ
っと海面上に何か出てきた!サメのヒレ?クジラ?いやいや、あんな丸っこいはずない。
そう、あれはカメさんです。
やはりゆっくりぷかぷか泳いでます。たまにヒョコっと顔をだし、こっちを見てる。かわいい。
近う寄れ、と思っていると、ゴボッと潜ってスイスイーってどっか行っちゃいました。
こんな漁港の目の前で、普通にウミガメが観れるんですね。奄美すげえわ
カメさんでほっこりして、ロッジ翔を目指します。ロッジ翔は土盛海岸のすぐそばで、宇宿漁港からも近い。なのでゆっくり寄り道しながら向かいます。
秘密のトンネルっぽいとこを抜けると・・・
花の咲く海岸が。これは大瀬海岸の風景です。
サトウキビ畑に囲まれた、車1台分の狭い道をゆらゆら漕いでると、後ろに乗用車がいる。「わ」ナンバーなので、レンタカーです。
僕はノロノロと自転車漕いでたので、脇に寄せて先に通過してもらいます。
後ろのレンタカーはゆっくりとした速度で追い抜く。追い抜く際、助手席で笑顔のかわいい女子がニッコニコしながらお辞儀してくれる。
なんていい子なのでしょう。絶対性格いいよあれは。おじさんもう絶頂してしまいそうです。
よく見えなかったけど、まあ運転席はどうせ彼氏でしょ。ペッ!ペペッ!ま、俺には関係ねえハナシだぜ!
一瞬のときめきは台風の風と、それに揺られるサトウキビのガサガサにかき消されました。
レスト&ロッジ翔到着。
なんともおシャンくない感じですが、おっさんの一人旅にスタイリッシュさは不要なのです。
土盛海岸に人魚の群れ
レスト&ロッジ翔のチェックインは15時から。現在まだ12時前。
北部のビューポイントをまわるのと、鶏飯で有名な「みなとや」に行きたい。
荷物が重いので、駐車場の隅っこのスペースに邪魔にならないようにデポ。財布とスマホだけ持ってチャリ漕ぎます。
風に乗って遠くからキャッキャと騒ぐ声が聞こえます。ロッジ翔のウラの林を抜けていくとすぐ土盛海岸なので、どうやらそこで誰か遊んでいるようです。家族連れかな?
土盛海岸は奄美でも有数の美しい海岸です。ちょっと見に行こう。
林の間の道を下っていくとちょっとした駐車場があり、そこに「わ」ナンバーの車が停まっている。あれ?これもしかしてさっき先に行かせた車か?ああ、さっき聞こえたキャッキャは、あの女の子が彼氏とイチャコラしてんのかな?まあ俺には関係のねえハナシさ。
海岸に出る。おーすごい。これは本当に綺麗だ。
300メートルくらい向こうに、5人くらいの集団がわちゃわちゃやってる。あれが声の主か。。。
見ると、女子大生と思しき水着の妖精たちが戯れているではないか!人魚か?マーメイドか?(←どっちも同じ)とにかくUMAだ!
なんて素晴らしい光景なのでしょう。遠くから数秒眺めただけだからね。ワイセツ行為ではありませんからね。
気にしないフリをして、足だけ海に入ってチャプチャプしてみる。思ったより水は冷たくきもちい。
「すいませーん、写真撮ってもらってもいいですか?」
いつの間にかすぐ後ろまで来ていたマーメイドたちの一人が声をかけてきたのです。ああ神様、こんな残酷な状況で僕にどうしろと言うのですか?
「ええ。いいですよ」
平静を装ってスマホを受け取る。パシャパシャ撮る。ああ神様、これは幸運を与えてくれたのですか?それとも試練ですか?どうしろというのですか?大チャンス?何の?5vs1ですよ?こんな僕に何ができると言うのですか?
「へいカノジョたちぃ。せっかくだから、今晩一緒にごはんどうよ?」
「いいんですかあ!連れてってください〜」
「眠れなくなっちゃうよ〜」
いや、そんなことできるはずがない。
こんなのはどうだ?
マーメイド達を撮影すると見せかけて、受け取ったスマホで自撮りをしてウケを取る。お兄さんおもしろーい!LINE交換してくれませんか?
そんくらいの冗談でもカマせれば、こんな世界線もあったのかもな。
「ありがとうございまーす」
「いえいえ」
↑これが現実。
つかの間のときめきをありがとう。僕はこのまま海に・・・
一人旅には”色”がない。
しかしそれでいいのだ。何者でもない孤独な男には、それが似合う。
色あざやかな海と、瑞々しい天使の声を背に、僕は海岸をあとにするのでした。
鶏飯を求め「みなとや」へ
本格的な鶏飯が食べたいので「みなとや」を目指します。
サトウキビ畑の間を縫って農道を走る。
スプリンクラーの水が焼けたアスファルトをわずかながら冷ます光景は、我が地元茨城の風景を思わせます。
少年時代の夏の日に歩いた、通学路の風景。カラっからの乾きを、スプリンクラーがつかの間、癒してくれた。
ちょっとした山を越えると、長い下り坂を一気に下り、あっという間に「みなとや」到着。
元祖鶏飯。元祖なんですねここ。奄美大島に鶏飯のお店はいくつかありますが、元祖に行き着けるとはラッキー。
だがここで喜んではいけない。なぜなら、僕の人生ゲームでは「行きたいと思った80%の店は閉まっている」という初期設定があるからです。ついでに、「やりたいことの95%はうまくいかない」という設定まである始末。
恐る恐る入り口に近づくと・・・なにやら書いてある。
どうやら、コロナ禍につき時間制で人数制限を設けているようです。
最終は・・・13時ね。
えーっと今は、、、13時15分。
。
。
。
うん知ってる。そういう設定だもの。予定通りといえば予定通り。
泣きながらその場を去ろうとすると、ガラガラっとドアが開き、店員のおばちゃんが現れる。
「鶏飯?」
なぜかドヤされた気分になりながら答える。
「は、はひ、そうでしゅうう」
そういうと、「ここで待て」と中の待合い席に通されました。
謎に怒られた感じだが、店員さんは決して怒っているわけではありません。まあ伝統的なお店ですからね。媚び売るような接客はしないのでしょう。
しばし待った後、中に通されるとすでにお膳立てがされています。
おおお!ついに!
自分でごはんよそって、トッピングし鶏ガラスープを掛けていただくスタイル。
見ろ!この濃厚な鶏ガラスープ。これがすごい。トロっトロなんですよ。
正直こんなにウマいものだとは思いませんでした。南国の料理ってどうせ大味なんでしょ?って偏見があったんですが、完全に覆されましたね。ボリュームも満点。お腹いっぱいです。
あやまる岬へ
休憩後、また山を越えて島の東側へ。
自転車をこぎこぎしながら、さっきのマーメイドたちと会えることをどこか期待しています。
まあそんな都合のいいことは起こらず(会ってもどうしろと言うのだ?)、あやまる岬へ。
途中、なんかお馬さんがいる。
喜界馬。そういえば僕に奄美の魅力を語った友人も言ってたなあ、馬がいるって。これのことか
昔行った宮古島にもたしか馬がいた。宮古馬。南国の島には馬がいるものなんでしょうか。
馬にエサをやって遊ぶ。優しい目をしててかわいい。
馬が釣れた!
ここで一句
魚(うお)釣れず 女も釣れず 馬を釣る
お後がよろしいようで。(←使い方間違ってる)
あやまる岬到着。
うーん。きれい。だがね、ずっと見てるといかに景色がよかろうとも飽きるもので。旅ってこんなもんです。風も強いのでさっさと退散。
15時。ちょうどいい時間なので、レスト&ロッジ翔にもどります。
釣りラストチャンス
チェックインを済ませ、潮風でベトベトになった体をシャワーで流す。
ここ、レスト&ロッジ翔は、レストラン併設で食事できます。
食事付きプランもありますが、素泊まりプランでもレストランに行けば食事ができるので大変便利なのです。
食事までの間、下見してきた宇宿漁港に釣りにいきます。
風が強いので、少しでも風の影響が少ない防波堤の壁際で、エギを投げます。
と、、あれ?なんかさっきも見たような黒い影がぷかぷかしてる。もしや・・・
やはりカメさんだ。また顔だしてこっち見てる。離れたところにもう一匹いる。ちなみに最初発見したのとは別のエリアです。
なんなんだろうここ?奄美ってこんなにカジュアルにウミガメがいるものなのか?
肝心の釣りは、当たり前のように全く釣れず。まあ、エギングやるのも初めてだしね。
エギを3個ほどロストして終了。ほんと、サビキ以外でほぼ釣ったことのない形だけ釣り師ですよ。
レスト&ロッジ翔のメシ最高
釣れなくて残念ですが、今日は初めて予定通りのディナーにありつけます。
まずはこれよ。これがなきゃ始まらん
今朝上がった車海老の刺身ですって。車海老を刺身で食べるなんて初。美味。
鶏皮ぎょうざ。パリパリでうまい。鶏飯もあるし、奄美って鶏も有名なのね。美味。
黒糖焼酎が大量に並んでいます。
下の写真の3つ「里の曙」「じょうご」「れんと」が島の三大黒糖焼酎らしく、僕は真ん中の「じょうご」をチョイス。
黒糖焼酎ってこんなにうまいんだ。勝手なイメージで、芋焼酎とか泡盛みたいに癖が強いのかなと思ってました。甘みがあってクセは少なく、スッキリしてます。たぶん初心者にも飲みやすい。
これ、翔さんしか直接取引していないとされる焼酎。幻級にウマいぞこれは
さっきの車海老の頭を揚げてくれた。これまたクソうま
ごちそうましたー。
ロッジ翔、ここほんとメシがウマいです。おすすめ。ランチもやってるので、食事だけでも満足できると思いますよ。
奄美大島で自転車釣りキャンプ旅④へ続く