僕はサラリーマンとしては約10年社会人をやった。
その10年で、自分が成長できるという自信を一度完全になくした。
体力的な部分も、頭も精神力も、容姿も、30過ぎた頃からはもう落ちていく一方だと思っていた。
人間としてのあらゆる能力のピークはとうに過ぎ去り、その最も充実していたであろうタイミングで、僕は何も成し遂げられなった。
だから、ここからの人生の可能性は、どんどんなくなっていくのかもしれないという恐怖があった。
つまり、このまま人生尻すぼみで終わっていくのかもしれない、という恐れだ。
だけど、ランニングが全てをひっくり返してくれた。
自分はまだまだ成長できるという確かな手応えと自信を、取り戻すことができたのだ。
実際に、僕の走力はどんどん成長している。
そりゃあ、もっと速い人やもっと才能がある人からすれば、まだぜんぜんだけど、人のことはどうでもいい。
自分が向上している実感こそが重要なのだから。
不思議なことに、ランニングで成長するのは走力、体力といったフィジカル要素だけではないのだ。
脳のシナプスが増え頭が良くなるし、精神も安定する。心が穏やかになり、気持ちに余裕ができる。
それは長期的にみれば、人格的な成長を意味する。
まさに、走ることで人が成長するのだ。
僕は2022年で37歳になるが、20代の頃の体力、気力、知力を上回りつつある気がする。
そしてさらに、自分史上最高を更新し続けていける自信すらある。
まあ20代よりも30代の自分の方が成長していてあたりまえではあるのだが、ボーッと生きていて劣化している人間は実際結構いると思う。
人間成長しなくなったら老化するのは当たり前だ。
年齢を重ねても、新しいことに挑戦していれば成長できる。
挑戦するということはイコール、今よりも向上していくということだから、それはそのまま成長を意味する。
きっとそういう人は、輝いててかっこいいはずだ。そういうのは見た目にも現れる。
何をどうやって挑戦すればいいのかわからない、という人も多いと思う(少し前の僕もそうだった)。
そんな人には、とにかく僕はまず走ってみることをすすめたい。
最近「自己肯定感」という言葉をよく聞くが、それを高くするにはランニングが最も効果的だと思う。
理由は、上に書いた通りで、自分が成長するのをはっきりと自覚することができるからだ。
走れば必ず、もっと走れるようになるから。
何かに挑戦するには、自己肯定感の高さが必要だと思う。
自分にはきっとクリアできるというふうに、自分を肯定できないとチャレンジする気も起きないだろう。
どうせ自分にはできっこない、と思っている人は挑戦なんかできないから。
だからまずは自己肯定感をあげる。そのためにはランニングが一番いい。
自分は成長できる、と確信できたら、他のいろんなことにもどんどん挑戦できる。
ランニングはそういうことを教えてくれた。
歳を取っても成長し続ける人でありたいと思う。
だから、明日も走るのだ。