元ヤクルトの泉正義氏についての記事がスマホのニュースに流れてきたので、アッ!と反応しすぐ読んだ。
泉氏は知り合いでもなんでもないのだが、私の高校時代から強く関心を惹かれる人物だ。
今回は、僕が泉氏を遠巻きに見ていた高校時代の衝撃と、彼の現在の活動について思うことをしゃべってみたい。
高校当時の泉正義氏が野球小僧たちに与えた衝撃
なぜ彼に関心があるかというと、かつて私も高校球児だったころ、一度練習試合でお目にかかったことがあるからだ。
正確にはそれよりも前に、泉氏が1年生時に甲子園ですごい投球をするのをテレビで見て知った。
その甲子園後、泉氏は肩を痛めていたので、練習試合でお目にかかった時はピッチングを拝むことはできなかったが。(投げていたとしても私は補欠・・・)
彼をテレビで見た時、すごい衝撃だったのを覚えている。
学年は私の1つ上だが、ケタ違いの体のデカさ。ほとんど年も変わらない人が、もう150キロ近い剛球をバンバン放っている。
(どうやって育ったらああなるんだ・・・)
と、自分とのあまりのレベルの差に愕然としたものだ。
その衝撃的な甲子園デビューは、我々と同世代の野球小僧たちに尋常でないインパクトを与えた。
高校野球を経験した人ならわかると思うが、1年生で夏の甲子園で投げるなんてことは気が遠くなるほどヤバイことだ。
だって、夏の甲子園て当然ながら夏だが、1年生ということはその春に入学したばっかりということだ。本当についこの間まで中学生なのだ。
それが2年間厳しい練習を生き残ってきた3年生らと渡り合うのだから。しかも、全国の舞台で、だ。
まあ、彼やその他有望選手の多くは、中学時代からハイレベルなシニアリーグで活躍しているが、僕らのような凡人は普通、公立中学の軟式野球しか経験していない。
中学の軟式野球と高校野球だと、全く異次元にレベルが違う。普通は高校の野球部に入学したら、練習についていくだけでゲロを吐くレベルなのだ。(実際、ウチの高校ですら初練習のウォーミングアップだけでゲロるやつもいたし、僕もギリだった)
3年生の試合に出るなんてことは、一部の人間を除いてはできない。むしろプレッシャーに耐えられず、恐ろしくて出たくない。情けない話だが、僕なんかはスタンドで安全に応援していることに安堵していたくらいだ。
泉氏の衝撃デビューから2年後、宇都宮学園(現 文政芸大付属)のグラウンドに練習試合で行った際、”あの”泉を遠巻きに見、少し感激にも似た感覚を覚えてしまった。
当時から事実かどうかは不明だが、どうもヤンチャらしいという話を聞いていた。そんなワイルドで強い男に対し、ビビリで優等生タイプの僕はどこか憧れていたのかもしれない。
実際に見た彼はやはりデカかった。明らかに、高校生の中に1人だけ社会人かむしろプロ!?みたいな体格の人間がいるもんだから、それだけで圧倒されてしまったものだ。
泉正義氏の現在は?
当時のことを思い出し、つい熱くなってここまで書いてしまった。
さて、泉氏の現在はというと、栃木県の中学硬式野球クラブ・日光ヤングスワローズの監督を務めているらしい。
Sportivaの記事によると、いまだに誹謗中傷やデマが多いようだ。
だが、そんな攻撃に屈せず、中学生たちと真摯に向き合い努力されている様子が綴られている。
中でも、教え子の櫻井ゆーやさんの、泉氏の指導方針に対するコメントが素晴らしい。
「先輩たちは団結力がすごくあって、きつい練習をみんなで声をかけ合って乗り越えてきたので。僕は先輩たちが試合に出るほうがいいと思います。その雰囲気は自分たちの代でもマネしたいです」
これは泉氏の
「最高学年の選手は絶対に試合で使いたい。たとえ勝てなくてもいいので、『野球が楽しい』という感覚でやってもらいたい」
という方針に対するものだ。
きちんと選手や保護者の方にもこう説明しているらしく、その思いがしっかりと伝わっていると感じる。
中学生がこんなに思いやりある素晴らしい発言をするのだから、いい加減な教育をしているはずがないと思う。
ヤクルト入団時の担当スカウトへの反論ツイートについて
ヤクルト退団の経緯は素行不良だということを、当時担当スカウトの矢野和哉氏は言っていたらしいが、泉氏はそれに対する反論と告発をツイートした。
詳しい内容はこちらのリンクを参照してほしい。
告発をするにあたっては、とても勇気のいることだっただろう。
球団はきちんと調査、公表して泉氏の名誉を回復するべきだと思う。
この件のせいで、泉氏は長年苦労してきたわけだし、未だに誹謗中傷がある。てか誹謗中傷やめろ普通に。
勝手に応援してます
泉氏は退団後、配管工などもやったらしく、相当苦労されたのだろうなと思う。
注目され、中傷された苦しみは僕ら凡人にはわからない。
それでも腐らず、恩返しのために野球を続けている現在を知り、これこそ指導者たる大人の姿だと思った。
人はそれぞれ、背負った宿命や苦しみがあると思うが、みんな一生懸命生きてるんだなあと教わった気がする。僕も頑張ろうと思わせてくれた。
繰り返しになるが、球団は彼の名誉を挽回してほしいし、世間の悪い印象が無くなってくれることを願う。
同世代の野球小僧の一人として、勝手ながらいっそうのご活躍をお祈りする。
参考資料